親族後見人による不正
親族後見人による不正が後を絶たないようです。
http://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_7303.html
後見人になるには専門職でなくてはならないわけではなく、親族等の一般の方でもなることができます。
本人の考えや生活状況等を正確に把握しているという点で、親族が後見人になるのは望ましいことだと思います。
しかし、親族が後見人になり、被後見人の財産の管理を始めると、自分の財産と被後見人の財産とをしっかりと分けて管理せず、自分の生活や事業のために被後見人の財産を使ってしまったりすることが多く発生しています。
先日、親族後見人が被後見人の財産を自分の事業のために勝手に使用していることが発覚したため、親族後見人の代わりに後見人になってほしいという依頼が私のところにもありました。
親族であるが故に、他人の財産を管理しているという意識を持ちづらいのでしょう。
家庭裁判所も、この問題には頭を痛めており、後見人としての責任や義務をしっかりと理解してもらうため、親族後見人に対する研修等を頻繁に行っているようです。
いくら親族であり、また被後見人の財産が相続によっていずれは自分の財産になるのだとしても、被後見人の財産を勝手に使うことは違法です。
また、刑事罰が科されることもあります。
今後、高齢化社会が益々進んでいくにつれて、後見人の受け皿不足が問題となると言われています。
後見人としての事務を厳格に行わなければならないとなると、後見人の負担が重くなり、親族で後見人になろうとする方が減ることが考えられ、益々後見人の受け皿不足に拍車をかけることになるかもしれません。
しかし、この部分をうやむやにしてしまうと、成年後見制度が悪用するために使われる可能性を否定できません。
後見人になられる方は、被後見人の財産は他人の財産であるということをしっかりと意識して後見事務を行うようにしてください。
当事務所では、少しでも親族後見人の助けになれるように、親族後見人が後見人としての事務を行うに当たってのご相談をお受けしております。
お気軽にご相談下さい。
お読みいただきありがとうございました。